研究課題/領域番号 |
07557205
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
吾妻 健 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40117031)
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研究分担者 |
田口 尚弘 高知医科大学, 医学部, 助手 (80127943)
平井 啓久 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10128308)
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キーワード | 日本住血吸虫 / ゲノムマッピング / 染色体顕微切断 / FISH / PRINS |
研究概要 |
本研究では、直接ゲノム解析の可能性を打診するため、PRINS(染色体上で直接PCR増幅を行う)法および染色体顕微切断法を、日本住血吸虫の染色体に適用するための予備的実験を行った。1.PRINS:ヒトのテロメア配列である(TTAGGG)7のプライマーを用いて、PRINS用PCR装置において、日本住血吸虫の染色体上でDNA増幅を行ったところ、全染色体の両末端だけにテロメア配列の多量の増幅が見られた。さらに、PRINS反応に先行して行なう。染色体DNA変成は、加熱法よりもアルカリ法(pH12.5)の方が、強いPCR反応を示した。このことから、PRINS法は、住血吸虫の染色体においても有効であるので、現在、他の遺伝子および特定DNAの配列をマッピングする実験を遂行中である。2.染色体顕微切断法:染色体標本は平井ら(1989)の方法に従ってカバーグラス上で作製し、乾燥後直ちに99.5%エタノール中に入れ保存した。最初の試みとして、先端直径約2ミクロンメーターの切断用ガラスナイフを作製し、日本住血吸虫の第1染色体を10本掻き取った。掻き取った染色体断片は、ポリエチレングリコールとプロテナーゼKの混合液内に落し、使用するまで-20℃に保存した。この溶液内で蛋白消化後、ユニバーサルプライマーを用いて染色体DNAを増幅した。電気泳動により、PCR産物を確認したが、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)では染色体への雑種形成はみられなっかた。これはPCRにおいて染色体特異的DNAが増幅していない可能性があるので、現在、より多くの染色体を採取し彩色プローブの作製にとりくんでいる。この方法は、またマレー住血吸虫の中間宿主員Robertsiella gismanniの染色体標本(Y染色体及び1番染色体)にも試み、第2減数分裂中期像から十分な量の染色体を容易に顕微切断できることを確認した。さらに切断、採取した染色体DNAのPCR法実験の結果、500bp付近を中心としたスメアバンド増幅を確認した。
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