マラリア感染赤血球より精製した好中球遊走因子をカラムクロマトグラフィーにより精製し、SDS-PAGE電気泳動後、PVDFメンブランに転写したものをサンプルとしてを気相型ペプチドシークエンサーを用いて、N末端のアミノ酸一次配列決定をおこなった。その結果、16残基までアミノ酸配列を決定することが出来た。その配列をデーターベース検索の結果、interferon-induced proteinと完全に一致することがわかった。また、SDS-PAGE解析における分子量もデーターベースの値と一致した。interferon-induced proteinは生体における機能などはほとんど解明されていないので、まずこの分子が好中球遊走活性を本当に有するのかどうかを調べる目的で、リコンビナイト蛋白の作成をおこなった。成熟蛋白全長を含み、pET21aベクターのBamHI及びXhoIサイトにクローニング出来るように制限酵素部位を導入したPCRプライマーを設計し、PCRで増幅した産物をpT7blueTベクターにクローニングした。インサートの塩基配列を確認した後、BamHIおよびXhoIで切断し、pET21aにサブクローニングした。HMS174にトランスフォームし、リオンビナイト蛋白を発現させた。大腸菌lysateから金属キレートカラムを用いて、リコンビナイト蛋白を精製した。SDS-PAGEで単一性を確認し、好中球遊走活性を調べた。その結果、10^<-7>M以下でも遊走活性を持つことがわかった。このことから、interferon-induced proteinは好中球遊走性サイトカイン(ケモカイン)の一種であることが示された。
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