研究課題/領域番号 |
07557214
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白木 和子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40012744)
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研究分担者 |
寺田 英司 北里大学, 理学部, 助教授 (10113440)
米川 博道 東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究部門, 室長 (30142110)
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キーワード | トランスジェニックマウス / ポリオウイルスレセプター遺伝子 / 組織特異的発現 / 動物モデル / YACクローン |
研究概要 |
これまでに作製した、ヒトのポリオウイルス受容体(PVR)遺伝子を持つトランスジェニック(Tg)マウスは、ポリオウイルスに感受性を示し、中枢神経系に直接ウイルスを接種することによる神経毒性試験には十分に使える動物モデルであることを証明している。しかしながら、このマウス個体内におけるヒトPVRの分布は、ヒト個体内の分布とは大きく異なっており、経口感染にはじまるポリオウイルスの体内伝播経路などの病原性研究には不適当であることが指摘されている。事実、腸管のポリオウイルス感受性は非常に低い。PVRの組織発現パターンがヒトとTgマウスで大きく異なる原因として2つの理由が考えられる。1つはPVRの発現調節領域に対し、マウスの転写因子が正常に働かない。もう1つはエンハンサーなどが非常に離れた部位に存在しており、トランスジーンに含まれていない、である。今年度は主に前者に関する研究を行った。ヒトPVRをコードしている遺伝子に、マウスホモログ(MPH)遺伝子の上流約12kbを結合させたヒトとマウスのキメラ遺伝子をマウス(C57BL/6)受精卵に導入し、Tgマウスを作製した。この系統化を行い、3系統のTgマウスが得られている。このTgマウス各組織からRNAを抽出し、ノーザン法によるPVRmRNAの組織特異的発現分布を調べた。その結果、発現パターンは、以前のTgマウスの場合と類似しており、ヒト個体内での分布とは大きく異なっていた。現在、上流12kbが正しく組込まれているか否かをサザン法により解析中である。以上のように、前者の可能性は低いことが明らかとなったので、次に後者の可能性を追求するつもりである。
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