研究課題/領域番号 |
07557227
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 一彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80191394)
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研究分担者 |
塩川 左斗志 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (20215940)
江崎 一子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40037453)
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キーワード | T細胞レセプター / PCR / SSCP / T細胞 / 慢性関節リウマチ / 全身性エリテマトーデス |
研究概要 |
免疫応答の中心であるT細胞が抗原を認識する分子、すなわちT細胞レセプターに注目して、RT-PCR法とSSCP法を組み合わせることにより、リンパ球集団で集積しているT細胞クロノタイプを検出するシステムをすでに確立しており、多くの疾患において、その有用性を示してきた。今回は、このシステムをより簡単にして、数多くの検体を臨床検査のレベルで行えるようにすることを目的とした。従来、T細胞レセプターのベータ-鎖についてRT-PCRを行い、リンパ球集団におけるT細胞が発現しているほとんどのシグナルをカバーし増幅するには、20種類以上のPCRプライマーを必要としている。すなわち、一つの検体を解析するのに、20本以上のPCR反応を行い、それぞれをSSCP分析する必要がある。これが本クロノタイプ検出システムの臨床検査化を難しくしている第一の要因である。そこで、いくつかのコンピュータープログラムを用いて、SSCPに適した長さのDNAを増幅可能で、かつ複数のV領域のT細胞レセプターを同時にカバーできるプライマーを検索した。RT-PCRを行ったところPCR産物が増幅され、そのPCR産物をSSCP法で解析したところ、従来の方法と同様な分析が可能であることが示された。 そこで、今年度は、より多くの慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患患者に加えて、サルコイドーシス、間質性肺疾患患者及び健常人の末梢血リンパ球における集積T細胞クロノタイプをスクリーニングしたところ、明らかなT細胞の集積を検出できることが判明し、このシステムが臨床検査のレベルで使用可能であることが示された。
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