Mechanosensitive Receptorのクローニング

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07557229
• 研究種目: 試験研究(B)
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 川口 秀明 北海道大学, 医学部, 教授 (70161297)
• 研究分担者: 北畠 顕 北海道大学, 医学部, 教授 (00124769) ; 安藤 譲二 東京大学, 医学部, 助教授 (20159528)
• キーワード: 圧受容体 / 機械刺激 / 心肥大 / 心不全 / イオンチャンネル

研究概要

近年、骨格筋や心筋、内皮細胞をはじめとした数多くの細胞で、細胞膜の伸展やズリ応力に応答する機械受容チャネルの存在が報告され、機械刺激の受容体から応答にいたるカスケードの解明の糸口が見つかったかに思える。しかしその本体の詳細は不明である。
われわれはすでに報告されている大腸菌のmechanosensitive channelのDNA塩基配列を基に心血管系のstretch receptorのクローニングを計画した。
研究経過
既存のmechanosensitive receptorの塩基配列を参考にPCRを用い、スクリーニング中であるが、現在のところ心筋においては既存のmechanosensitive receptorと相同性の大きい受容体は見つかっていない。
血管内皮細胞にシェア-ストレスを掛け、負荷によって新しく発現する蛋白及び遺伝子を検索中である。負荷によって発現が強くなる蛋白及び遺伝子は相当数に上ることが判明した。
各々の同定はまだされていない。
研究経過で述べたごとく、既存のmechanosensitive receptorの塩基配列を参考にPCRを用い、スクリーニングしても、それらしき物は今のところ見あたらない。
ほ乳類との相同性の大きいことを示していると考えられる。
従って、今後は細胞にストレッチを掛け物より遺伝子を釣り上げる方向に進みたいと考えている。

研究成果

• [文献書誌] Muramoto, S.: "Cytosolic localization of β3-Subunit of heterotimeric GTP binding Protein in rat hearts" Biochem, Biophys. Res. Comm.206. 799-804 (1995)
• [文献書誌] Iizuka, K.: "Effect of transforming growth factor beta-1 on the intracellular calcium in cardiac fibroblasts" Jpn Heart J. 36. 101-109 (1995)
• [文献書誌] Yoneya K: "Angiotensin-converting enzyme gene polymorphism in Japanese patients with hypertrophic cardiomyopathy" Am Heart J.130. 1089-1093 (1995)
• [文献書誌] Kawaguchi, H.: "Renin-angiotensin system in heart failure" J. Mol. Cell・Cardiol.27. 201-209 (1995)
• [文献書誌] Kawaguchi, H.: "Progress in Hypertension Vol3 1993-1994" H. Saito, M. Minami and S. H. Parvez, 231 (1995)
• [文献書誌] Kawaguchi, H.: "Heart Hypertrophy and Failure" N. S. Dhalla, G. N. Pierce, V. P. Panagia and R. E. Beamish, 531 (1995)