研究概要 |
1.HTLV-I LTRの下流にHSV TK遺伝子を接続したハイブリッド遺伝子を作成し、高効率レトロウイルスベクターpLNに挿入後amphotropic packaging cell line PA317に導入し、組み換えウイルスを得た。このウイルスを各種ヒト血球系細胞株(骨髄系、T細胞およびB細胞系)およびHTLV-I感染T細胞株に感染させた後G418で選択し感染細胞群を得た。これらのHSV TK活性を調べたところ、HTLV-I感染細胞においてのみ高いHSV TK活性が認められた。またこれらの細胞ではACVに対する感受性が親株の3〜4倍高くなっていた。得られた組み換えウイルスは105CFU/mlのtiterを有していた。健常人のリンパ球をCon AとIL-2で刺激した後にウイルス産生細胞とcocultureしウイルスを感染させG418にて選択を試みたが感染細胞株は得られなかった。 2.1.に記された結果より、より広範な細胞群への遺伝子導入をはかるべく、HTLV-I LTR-HSV TKをアデノウイルスベクターに組み込み、現在高いtiterを有するウイルスを選択しつつある。 3.tax発現組み換えレトロウイルスをConA, IL2で刺激したラット脾細胞に感染させた。新生児ラットに移入し10^<-4>程度の頻度でtax感染T細胞をもつcarrierラットを作成した。tax感染T細胞の挙動を半年間観察しレトロウイルス感染細胞の上昇が認められている。
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