水チャネルを阻害する水利尿剤の開発

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07557246
• 研究種目: 試験研究(B)
• 研究機関: 東京医科歯科大学
• 研究代表者: 佐々木 成 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (60170677)
• 研究分担者: 水島 淳 日本たばこ産業株式会社, 医薬総合研究所・生物研究所, 主任研究員 (20183957) ; 伏見 清秀 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50270913)
• キーワード: 水チャネル / 利尿剤 / 腎臓

研究概要

研究は予定通りに進行している。幾つかの培養細胞系にAQP2cDNAをtransfectionさせ永続的に発現する細胞を選択した結果、CHO細胞において系を確立することが出来た。発現はmRNAならびに蛋白のレベルで確認した。さらに細胞膜表面への発現とその生物活性を購入したストップドフロー分光光度計による水透過性の測定により確認した。またAQP2蛋白がcAMP処理により細胞膜表面へ移動することも観察した。一方上皮系の細胞においては一過性の発現を試み、極性のある発現を認めることが出来た。
以上より発現細胞とそのアッセイ系は確立したと考えられ、この系を使用して多数の薬剤のランダムスクリーニングを開始している。新しい水利尿剤の開発が間近かとなった。またcAMPの効果はAQP2の細胞内traffickongの問題との関連で細胞生物学的に興味深く、将来この方面の阻害剤の開発も視野に入れたい。

研究成果

• [文献書誌] F.Saito,S.Sasaki: "Human AQP2 and MIP genes,two members of the MIP family,map within chromosome band 12913 on the basis of two-color FISH." Cytoget.Cell Genet.68. 45-48 (1995)
• [文献書誌] Y.Asahina,S.Sasaki: "Incteased gene expression of water channel in cirrhotic rat kidneys." Hepatol. 21. 169-173 (1995)
• [文献書誌] K.Kanno,S.Sasaki: "Urinary excretion of aquaporin-2 in patients with diabetes insipidus." New Engl.J.Med.332. 1540-1545 (1995)
• [文献書誌] T.Yamamoto,S.Sasaki: "Localization and Expression of a collecting duct water channel.aquaporin,in hydrated and dehydrated rats." Exp.Nephrol.3. 193-201 (1995)
• [文献書誌] K.Ishibashi,S.Sasaki: "Structure and chromosomal localization of a human water channel(AQP3) gene." Genomics. 27. 352-354 (1995)
• [文献書誌] S.Sasaki,K.Fushimi: "Water channels in the Kidney collecting duct." Kidney Int.48. 1082-1087 (1995)