研究課題/領域番号 |
07557265
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
宇山 昌延 関西医科大学, 医学部, 教授 (30025580)
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研究分担者 |
福島 伊知郎 関西医科大学, 医学部, 助手 (40261052)
高橋 寛二 関西医科大学, 医学部, 講師 (60216710)
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キーワード | インドシアニン・グリーン赤外蛍光眼底造影 / ICG蛍光造影 / 赤外蛍光眼底造影 / 血液網膜関門 / 脈絡膜新生血管 / 脈絡膜循環障害 / 網膜光凝固 |
研究概要 |
1.ICGの網脈絡膜における局在の組織学的証明 ラットにICGを静注し、その後30分までの時期にICG造影の上、眼球摘出し、急速凍結固定、アセトン置換によってICG粒子を組織に固定し、凍結切片を赤外光学顕微鏡でビデオ撮影し、ICGの局在を観察した。 イ)ICGは、脈絡膜毛細血管板から徐々に血管外へ漏出し、脈絡膜実質内に拡散した。これはICG造影早期のびまん性過蛍光に一致した。しかし網膜色素上皮をこえて網膜内へは移動しなかった。網膜血管からも血管外へ漏出しなかった。 ロ)眼底にレーザー光凝固を行うと、光凝固による網膜色素上皮の障害部をとおってICGは網膜内へ拡散した。 ハ)オルニチンを硝子体内に注入し、網膜色素上皮を選択的に損傷すると、ICGは網膜内へ拡散した。また、オルニチン投与2カ月後で色素上皮の消失による脈絡膜毛細血管の萎縮消失部は、ICG造影では低蛍光になった。 2.実験的病変のICG造影と病理組織学的所見との対比 イ)サル眼網膜に強いレーザー光凝固を行い脈絡膜新生血管を実験的に作り、そのICG造影、病理組織学的検査、血管鋳型標本による検索を行った。新生血管が網膜出血におおわれているとICG造影が新生血管の証明に役立った。また、ICG造影での新生血管周囲の低蛍光輪(dark rim)は網膜色素上皮の増殖による新生血管の囲い込みによる masking効果であった。 ロ)サル眼の後毛様動脈を切断し、脈絡膜循環を途絶させ、そのICG造影所見を病理組織学的所見および血管鋳型標本と対比検討した。脈絡膜血行障害はICG造影早期の充盈欠損として低蛍光がみられた。網膜色素上皮の増殖はICG造影晩期の低蛍光としてあらわれ、masking効果がみられた。
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