研究課題/領域番号 |
07557266
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
小児外科
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横森 欣司 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20251291)
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研究分担者 |
樋野 興夫 癌研究会研究所, 実験病理部, 部長
平林 慎一 帝京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60173259)
土田 嘉昭 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80010164)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | ウィルムス腫瘍 / ネフロジエ-ニック・レスト / 動物モデル / 腎移植 |
研究概要 |
本研究の第一段階として、発癌物質エチルニトロソウレア(ENU)による腎形成に対する催腫瘍作用を観察した。ENUにより経胎盤的にヒットされた胎児ラット腎には、出生後3〜5ヶ月の間に、多発性嚢胞、腎腺腫、腎細胞癌のほか、ウィルムス腫瘍の前駆病変であるnephrogenic restの結節も認められ、ENUを妊娠母胎腹腔内に投与された胎仔ラットは経胎盤的に発癌作用を受けることが、病理組織学的に確認された。 次に、経胎盤ENUヒットを受けたラットの腎を別の同系ラットに移植する実験を試行した。経胎盤的にENUヒットを受けたラットは腎病変以外に中枢神経系の腫瘍を100%併発し腎病変が進行する前に脳腫瘍等で死亡してしまう。そこで、nephrogenic rest等の腎病変を得るために、死亡前にENUヒット腎を摘出し同系の健常ラットに移植することとした。 腎移植部位として、ドーナー腎をレシ-ピェントの腎床に移植する同所性、移植、大腿部皮下に移植する異所性移植、また移植術式として顕微鏡下血管吻合法、カフ結合法などを様々な組み合わせで模擬移植実験を施行し、その結果としてドーナー左腎をレシ-ピェント左腎に同所性にカフ法で移植し、膀胱吻合をマイクロテクニックで縫合吻合する方法が採用だという結論に至った。 ENUヒット腎15個を上記術式にて移植したところ、9個のみが生着し、2〜5ヶ月後に8個の移植腎の病理組織学的検索が可能となった。その結果、多発性嚢胞が全8腎にみられ、うち5腎は腎動脈吻合部狭窄に起因すると思われる著名な腎萎縮を呈していた。8腎中ただ1腎においてnephrogenic restの結節が認められ、内葉性(intralobar type)の前駆病変の形態を示していた。 ウィルムス腫瘍の癌抑制遺伝子に関する分子生物学的検索は、上記実験で得られた検体量が不十分であり検索できなかった。
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