研究課題/領域番号 |
07557271
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
恵比須 繁之 大阪大学, 歯学部, 教授 (50116000)
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研究分担者 |
菅 俊行 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60243713)
安永 哲也 大阪大学, 歯学部, 助手 (70182342)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 象牙質知覚過敏症 / 象牙細管 / 封鎖 / アパタイト / ビ-グル犬 |
研究概要 |
象牙質知覚過敏症は発症頻度が高いにもかかわらず、その治療法が確立されていない。申請者らはアパタイトのpHに対する溶解度差を利用して開口した象牙細管をリン酸カルシウムで封鎖するアパタイト析出法を考案した。本研究では(1)in vitroにて本法の象牙細管封鎖効果の評価を行い、本法をヒト口腔内に適用可能な処理法に改良するとともに、(2)ヒトと歯牙組織が類似しているイヌを用いてin vivoにおける本法の象牙細管封鎖効果について検討を行った。これまでのアパタイト析出法ではIMNaOH (pH=12.4)を後処理液として用いており、この場合の析出物はリン酸水素カルシウムであった。また強アルカリであるため軟組織為害性の恐れがあった。そこで、臨床応用が可能な種々の溶液を検討した結果、象牙細管封鎖効果の減少が比較的少なかった1MNaHCO^3 (pH=8.1)を後処理液として選択した。この溶液に即時に象牙細管内にアパタイトを析出させるため0.3MNaFを添加し、その結晶組成をEDXAにて分析した結果、結晶のCa/P比は1.5であり、開口象牙細管を即時にアパタイトで封鎖することが可能となった。次にこの処理液を用いてin vivoで象牙細管封鎖効果を評価した。ビ-グル犬の大臼歯歯頚部に楔状窩洞を形成、酸処理することにより人工的に知覚過敏症のモデルを作製した。その後、アパタイト析出法を施し、象牙質生検法により象牙質片を採取し、SEM観察を行った。その結果、開口象牙細管は5μmの深さまでアパタイト結晶により緊密に封鎖されており、in vivoにおいても本法が開口象牙細管の封鎖に有効であることが分かった。
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