研究概要 |
銀ゼオライト(ゼオミック(R) AJION)をティッシュコンディショナ-へ応用し,その動的粘弾性特性について検討した結果,以下の結論を得た。 1.各ティッシュコンディショナ-の複素弾性率(E*)は,各保存条件および測定時期において,銀ゼオライト添加量の増加にしたがい,値が増加するものと減少するものとに傾向が異なった。その中でも,蒸留水中および人工唾液中に保存したVisco-gelおよびShofu Tissue Conditionerの値は,銀ゼオライト添加による影響が小さく,経時的変化も他のティッシュコンディショナ-と比較して小さかった。 2.損失正接(tanδ)についても複素弾性率(E*)の場合と同様に,銀ゼオライト添加量による影響は異なっており,GC Soft-LinerおよびSR Ivosealの値は,銀ゼオライト添加による影響を受け,経時的に大きくなるのに対して,Visco-gel,Shofu Tissue ConditionerおよびFITTの値は経時的変化が小さく,影響は小さかった。 以上より,銀ゼオライトの添加による影響が小さく,さらに,経時的変化および保存条件による影響がほとんど認められず,材質的に安定していたティッシュコンディショナ-はVisco-gelおよびShofu Tissue Conditionerであり,この2者の組成を参考とした銀ゼオライト含有ティッシュコンディショナ-の臨床応用への可能性が示唆された。
|