研究課題/領域番号 |
07557274
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 岡山大学 (1997) 徳島大学 (1995-1996) |
研究代表者 |
石川 邦夫 岡山大学, 歯学部, 助教授 (90202952)
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研究分担者 |
伴 清治 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10159105)
宮本 洋二 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20200214)
鈴木 一臣 岡山大学, 歯学部, 教授 (30050058)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | アパタイトセメント / アパタイト / 生体親和性 / 迅速硬化型 / 生体活性 / リン酸カルシウム |
研究概要 |
迅速硬化型アパタイトセメントは従来型アパタイトセメントの問題点であった長い硬化時間(30〜60分)を短縮したセメントであり、約5分で硬化するアパタイトセメントである。本研究は迅速硬化型アパタイトセメントの有用性を検討するため、両アパタイトセメントを実験動物に埋入し、その軟組織および硬組織に対する組織反応を検討した。その結果、迅速硬化型アパタイトセメントはセメントの硬化が保証された実験条件において、従来型アパタイトセメント以上の軟組親和性を示しただけでなく、従来型アパタイトセメントが炎症反応を惹起する条件(練和直後のセメントペーストを実験動物の皮下に埋入)においても優れた軟組織親和性を示すことが明らかになった。一方、骨組織に対する組織反応および骨伝導性は両アパタイトセメントに差異は認められなかった。実際の臨床応用においてはアパタイトセメントは硬化体で用いるのではなく、ペースト状態で骨欠損部等に充填され、また、充填されたアパタイトセメントも必ず軟組織と接触することから迅速硬化型アパタイトセメントの選択が好ましいと結論した。なお、従来型アパタイトセメントをペースト状態で実験動物の皮下に埋入した際に炎症反応が惹起される原因は従来型アパタイトセメントの硬化時間が長く、そのため、初期における機械的強さが小さいことに起因すると考えられた。したがって、迅速硬化型アパタイトセメントにおいても、その硬化が保証できないような症例(例えば、出血部位への充填)においては炎症反応を惹起する可能性がある。今後、より広い臨床症例を想定した検討が必要不可欠である。
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