研究概要 |
本研究は,GBR法をインプラント-骨界面の骨結合強化法として確立させ,臨床応用可能なものにすること目的として行っている.一連の研究から,我々の用いた種々のメンブレンはインプライト頸部の骨結合を確実するだけでなく,骨増生に対して促進的に働くことが示唆された.しかしながら,適応症の拡大を図るには未だ問題点も残されている.特に,メンブレンの機械的性質の向上が吸収性のそれにおいて実現され,しかもその場合,骨形成とメンブレンの吸収のバランスを考えた上で適切な時期に吸収されるものの開発が必要となってくる.本研究では,この条件を満たしうるメンブレンを開発し,動物実験によって実証する予定である. 7年度はメンブレンの開発とともに,新しい骨形成の評価法の開発に充てられた.メンブレンの開発に関しては,先の研究で報告したコラーゲン製メンブレンの持つ生体吸収性と骨形成促進作用に着目し,早期にメンブレン自身が石灰化して骨形成の足場となり,その石灰化によって出来たスペース内で骨形成の行われるメンブレンの開発に力を注いできた.しかしながら,動物実験はまだ行われて居らず,その有効性については今後の検討が必要であると考えている.今年度中には,ウサギを用いて,脛骨あるいは大腿骨への埋入を行い,来年度にはデータを集め,臨床作用に向けての検討を行いたいと考えている.また,評価に関して,我々は新しい手法を確立し,これによってインプラント骨周囲組織の3次元的観察および分析が可能となった.本研究にもこの手法を応用し,より客観的な量的評価を行っていきたいと考えている.
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