研究課題/領域番号 |
07557280
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長山 勝 徳島大学, 歯学部, 教授 (30022867)
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研究分担者 |
宮田 暉夫 (株)高研, 高研バイオサイエンス研究所, 所長
石川 邦夫 徳島大学, 歯学部, 助手 (90202952)
松本 文博 徳島大学, 歯学部, 助手 (70229566)
宮本 洋二 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20200214)
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キーワード | リン酸カルシウム / セメント / 骨再建 / 骨補填材 / アパタイトセメント / 非崩壊性 / ハイドロキシアパタイト |
研究概要 |
平成8年度は、1)イヌを使用する動物実験の前段階として、大量のセメント粉末を安定に、かつ均質に生産できる条件を設定し、試料を調整すること、2)非崩壊型アパタイトセメントの短・中期間の骨との反応を小動物で評価すること、3)平成7年度に報告した従来型アパタイトセメントが軟組織に著明な炎症を生じさせる原因の究明を目的とした。 まず、1)については、諸条件を検討した結果,pyrophosphate(アパタイト形成を阻害するリン酸)を副産物として含まないリン酸四カルシウムおよびリン酸二カルシウムを焼成、さらにこれらの粉末の粒度調整を行い、イヌの実験に必要なアパタイトセメント粉末の全量を製造することができた。 2)については、ラットの脛骨とウサギの顎骨で実験を行った。ラット脛骨では最長16週間までの観察を行った結果、非崩壊型アパタイトセメントは良好な骨伝導性を示すことが確認された。骨の新生量は、従来型、迅速硬化型と有意差はみられなかった。 3)については、炎症を惹起する原因が、セメント粉末のアパタイトへの転換速度とセメント硬化物の粒径に関連していると考察し、実験を行った。その結果、従来型の炎症反応の誘発には、両者が関連しているが、硬化体の粒径が及ぼす影響が大きいことが明らかとなった。これは、非崩壊型を臨床応用する場合にも、硬化する前に外力によって粉砕されれば、炎症反応を誘発しやすいことを示しており、臨床応用する際の取り扱い操作上の重要な注意点となることが明らかとなった。 現在、非崩壊型アパタイトセメントを、イヌの顎骨に埋入し、大動物での実験を進行させている。
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