研究課題/領域番号 |
07557280
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長山 勝 徳島大学, 歯学部, 教授 (30022867)
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研究分担者 |
石川 邦夫 岡山大学, 歯学部, 助教授 (90202952)
藤澤 健司 徳島大学, 歯学部, 助手 (40228979)
松本 文博 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70229566)
宮本 洋二 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20200214)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | アパタイトセメント / 骨伝導性 / 新生骨 / 生体親和性 / 非崩壊型 |
研究概要 |
非崩壊型アパタイトセメントは、申請者らが開発した高機能性のアパタイトセメントで練和直後のセメントペーストを血清に浸漬しても崩壊することなく、約5分で硬化する。そのため非崩壊型アパタイトセメントは口腔外科領域において、特に骨補填、再建材料としての臨床応用が期待できる。同セメントの実用化には、その主体親和性の検討が不可欠であり、本研究では、非崩壊型アパタイトセメントを実験動物に応用して、セメントに対する骨組織の反応、骨伝導性の観点から従来型アパタイトセメントと比較検討した。その結果、非崩壊型アパタイトセメンノおよび従来型アパタイトセメントを骨欠損部に充填した場合、骨組織に対する組織親和性および骨伝導性には違いが認められなかった。すなわち、両セメントともに充填後2週には、骨髄無いに充填したセメントに接して新生骨が形成され、セメントと新生骨の間には、軟組織の介在はなく直接結合し、観察期間内で新生骨は経時的に増大した。また、充填後2週に摘出した試料では、アパタイトセメントと接している軟組織において、非崩壊型アパタイトセメントの場合、セメントの周囲には、異物巨細胞、マクロージなどの炎症性細胞やリンパ球の浸潤はほとんど認められず、比較的薄い線維性結合組織に囲まれ、良好な生体親和生を示した。一方、従来型アパタイトセメントの場合は、比較的多くの異物巨細胞や炎症生細胞の浸潤が認められ、セメント周囲には比較的厚い肉芽組織の形成がみられ、炎症反応を惹起していた。非崩壊型アパタイトセメントは、従来型アパタイトセメントと比較して、初期からの高い機械的強さの発現、迅速なアパタイトへの変換また非崩壊生などの特性があり、これらが、軟組織に対する良好な生体親話生の原因となった可能性が高い考えられた。以上の結果から、非崩壊型アパタイトセメントは、顎骨欠損部の補填・再建に有用である優れた生体材料であることが示唆された。
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