研究課題
本研究は、昨年度までに2系統の遺伝子導入系としての国際的基準であるN12世代までの遺伝子導入を終えることができ、新たな系統としての確立に成功を収めた。この遺伝子導入操作と平行して、マウス貧血遺伝子W^Vが確実に導入され、実際に貧血が発現していることも確認した。また、口唇、口蓋裂の発生率について各世代毎にWV遺伝子を有する母体(W^V/+)と有さない母体(+/+)について子宮内の胎仔に口唇・口蓋裂発生率の上昇が観察され、導入過程において貧血母体内で発育した胎仔には、より高率に口唇・口蓋裂が発生することが確認された。これを受けて、本年度は引き続き2系統のマウスをinbreedingし、さらに安定した系統として維持繁殖に務め、この過程においても口・口蓋唇裂の発生が高いことが検証された。この内容については、第36回先天異常学会(札幌)(平成8年7月25日、26日)において口頭発表した。全体の成果について英文誌に投稿準備中である。