研究分担者 |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学部, 助手 (70202851)
清水 義之 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20187470)
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
篠田 嘉 東北大学, 歯学部, 教授 (80014025)
加賀山 学 東北大学, 歯学部, 教授 (60004610)
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研究概要 |
疫学的研究として本学矯正科においてフルブラケット治療を受けた200症例について歯根吸収の発症状況を調べた。その結果、歯根吸収が初診時歯根長の5分の1以上の重篤症例の発症率は23.5%であった。上下顎ともに前歯部で最も多く発症し,上顎では約8割,下顎では約6割に歯根吸収が見られた。軽症者群と重篤者群の比較すると、治療開始年齢,治療期間,骨格系,男女間に差は認められなかったが,重篤者群の方が初診時に歯根形態の異常が見られる割合が著しく高かった.頭部X腺規格写真で治療前後の上顎前歯の移動様相を軽症者群と重篤者群とで比較すると、重篤者群の方が水平方向,垂直方向,特に根尖垂直移動距離と歯軸変化量が大きい傾向があった.治療開始年齢と歯根吸収の関係についてYoung群とAdult群で重篤者の発症率にあまり差がなかったが、下顎前歯ではAdult群の方が歯根吸収が見られる割合が高かった.重篤者群の方が初診重篤症例に歯根形態異常を有するものが多いことから,歯根吸収の要因の1つとしてホスト側の要因が大きく関与していると思われた.また,重篤症例は歯の移動量が大きい傾向が認められたので,治療メカニクス上の問題も関わっていることが示唆された.重篤な歯根吸収を起こした症例については再検査を実施中である。歯根吸収の動物実験モデルとして、Wistar系ラットを用いて歯根形成期に合わせて低カルシウム食を与えて歯根形成不全症モデルを作製し、現在このモデルを用いて矯正的歯の移動を行い歯根吸収状態について観察中である。また、ラットの生理的な歯の移動に伴う歯根セメント質の吸収、形成についても観察を行った。In vitro の実験としヒト末梢血リンパ球細胞から誘導される破骨細胞、破歯細胞様細胞の特徴について調べた。
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