研究課題/領域番号 |
07557283
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三木 美麗 東北大学, 歯学部, 助手 (10236820)
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研究分担者 |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学部, 助手 (70202851)
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
三谷 英夫 東北大学, 歯学部, 教授 (50014220)
加賀山 学 東北大学, 歯学部, 教授 (60004610)
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キーワード | メカニカルストレス / 細胞内シグナル伝達 / チロシン燐酸化 / 骨芽細胞 / 歯根膜線維芽細胞 / 末梢血リンパ球・単球 / インテグリン / 細胞内骨格 |
研究概要 |
本研究はメカニカルストレスに直接反応するメカニカルストレスセンサーに注目し、細胞工学的・分子生物学的手法を用いて、その特性や生体内分布を明らかにし、さらに各種刺激に対するセンサーの変化を解析し、この基礎的データをもとにセンサー分子の発現および機能を制御する臨床応用を目的とするものである。本年度の研究成果を以下に示す。 (1)骨目細胞様MC3T3-E1細胞を、Type 1 Collagenでコーティングしたシリコンメンブレン上に10%FBS添加αMEM培地を用いて培養した後、周期的伸展力を負荷すると、細胞形態およびストレスファイバーの方向性が変化し、伸展刺激に対応した方向性を示して配列した。抗Phosphotyrosine抗体を用いたWestern Blottingによりチロシン燐酸化蛋白が検出された。抗p125^<FAK>抗体を用いてimmunoprecipitationを行うと、分子量約130kDの蛋白のチロシン燐酸化が伸展開始30分後から検出された。すなわち、伸展刺激により骨芽細胞内蛋白のある種のチロシン燐酸化が促進され、特にpp125^<FAK>やpp60^<c-src>のような接着斑に局在するチロシンキナーゼが関与している可能性が示唆された。今回の実験系において、骨芽細胞は、Typel Collagenを介してシリコンメンブレンに接着しており、Type Collagenをリガンドとする細胞膜表面に発現しているインテグリンなどの接着分子を介して刺激が伝達されたと推察される。インテグリンの発現については現在、検討中である。また、同定できなかったいくつかのチロシン燐酸化された蛋白は他の細胞内骨格を構成する蛋白の可能性もあり興味深い。 (2)同様にヒト歯根膜線維芽細胞に周期的伸展力を経日的に負荷下の血、ALP活性を測定した。末梢血由来リンパ球・単球画分を分離し、ミリポアメンブレンを介して歯根膜線維芽細胞とco-cultureを行い、相互作用を検討した。さらに、骨代謝調節因子であるVD3の存在下てのALP活性の変化についても検討した。歯根膜線維芽細胞ともに周期的な伸展力により、細胞形態およびストレスファイバーの方向性が変化し、伸展刺激に対応した方向性を示して配列した。そのALP活性は、メカニカルストレスと局所での末梢リンパ球・単球の存在により抑制され、活性型ビタミンD3の存在により増加した。すなわち、歯根膜の線維芽細胞も周期的伸展力に対応した形態変化を示すが、そのALP活性は、メカニカルストレスと局所での末梢リンパ球/単球の存在、活性型ビタミンD3により調節を受けることが示唆された。
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