• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

光学活性β,γ-不飽和アミノ酸の高立体選択的合成

研究課題

研究課題/領域番号 07557289
研究機関金沢大学

研究代表者

板谷 泰助  金沢大学, 薬学部, 助教授 (20019657)

研究分担者 金井 妙  金沢大学, 薬学部, 教務職員 (80251932)
キーワード(E)-(2-アリールビニル)グリシン / N-(ベンジロキシカルボニル)ビニルグリシン / Heck反応 / キラル合成 / 立体選択的反応
研究概要

筆者らが開発した(S)-N-(アルコキシカルボニル)ビニルグリシンを用いるHeck反応は,Crispらによってエノールトリフレート類との反応に首尾よく応用されたものの,一般的なアリール体に対してはよい結果が得られていなかった.筆者らは,この反応が水を溶媒とすることによって好結果を与える場合があることを発見し,今回この反応を更に詳しく検討し,次のような成果を得た.
1.(S)-N-(ベンジロキシキシカルボニル)ビニルグリシンと4-ヨードアニソールとの反応について,用いる塩基を検討した.炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムのいずれを用いても(E)-体のみが得られ,収率はこの順に減少したものの,光学収率は炭酸水素塩を用いた場合が優れていたので,炭酸水素ナトリウムを用いるのがよい.なお,トリエチルアミンを用いると立体選択性が減少し,(Z)-体も生成することが分かった.
2.このような反応条件下でも,チオフェン,イミダゾールあるいはイミダゾプリンなどの複素環のヨウ化物や4-ニトロ基あるいは4-アセチル基のような電子吸引性基をもつヨウ化ベンゼンとの反応は低収率であり,ブロモベンゼンのヨウ化物では光学純度85-90%の生成物が30-51%の収率で生成するに過ぎず,必ずしも満足すべき結果ではなかった.これに対して,ナフタレンや無置換あるいは電子供与性基を有するヨウ化ベンゼンでは95-98%eeの目的物が収率51-66%で生成した.
以上の結果,(S)-N-(ベンジロキシキシカルボニル)ビニルグリシンを用いるHeck反応は,水を溶媒として炭酸水素ナトリウム存在下で行えばナフタレンあるいは電子吸引性基をもたないフェニル基からなる光学活性(E)-2-アリールビニル)グリシン誘導体の優れた合成法となることが判明した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Taisuke Itaya: "Synthesis of [R-(R^*_1S^*)]-and [S-(R^*_1R^*)]-β-Hydroxy-3- (β-D-ribofuranosyl) wybutines,the Most Probable Alternatives for the Hypermodified Nucleoside of Rat Liver Phenylalanine Transfer Ribonucleic Acid" Tetrahedron Lett.38巻(印刷中). (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi