研究課題/領域番号 |
07557298
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
中村 洋 東京理科大学, 薬学部, 教授 (60092285)
|
研究分担者 |
吉田 彰 三菱化学(株), 四日市総合研究所, 企画管理室長
加藤 芳男 東ソー(株), 科学計測事業部, 部長
鈴木 政雄 東京理科大学, 薬学部, 講師 (50089330)
|
キーワード | チタニア / リン酸化合物 / リン酸化タンパク質 / ケモアフィニティー / カラムスイッチング / 陰イオン交換カラム / 高速液体クロマトグラフィー / プレコンセントレーション |
研究概要 |
1.リン酸化タンパク質解析ソフトの開発(1)リン酸化タンパク質の酵素加水分解による断片化:ウサギホスフォリラーゼaはアミノ酸841残基からなり、N末端から14残基目のセリンのみがリン酸化されている。そこで、これをCaCl_2を含む酢酸塩緩衝液(pH5.4)で調製したトリプシンと37℃、3時間インキュベートしてペプチド断片化した。本操作により、究極的には1種類のリン酸化ペプチド(Gln-Ile-Ser(P)-Val-Arg)が生成すると思われる。そこで、上記トリプシン消化物をアルカリホスファターゼで処理し、その逆相HPLCパターンを無処理のものと比較したところ、保持時間15分付近のピークが酵素処理によって消失することが判明した。このことから、保持時間15分付近のピークがリン酸化ペプチドであることが確認できた。(2)チタニアカラムによるリン酸化ペプチドの選択的捕集:Kemptide(Leu-Arg-Arg-Ala-Ser-Leu-Gly)をATPの存在下にc-Kinaseとインキュベートし、生成したリン酸化Kemptideを用いて捕集条件を検討した。その結果、0.015%トルフルオロ酢酸(TFA)に溶かしたリン酸化ペプチドを東邦チタニウム社製のチタニアミニカラム(4.6mm i.d.x10〜15mm)に導入し、引き続いてTFAを0.5ml/minで2分間流し、LiClを含む0.05Mホウ酸塩緩衝液(pH8.0)(溶離液A)で溶離する条件で80%以上の回収率が得られた。(3)陰イオン交換HPLCによるリン酸化ペプチドの単離:Asahipak NH2P-50-4Eカラム(4.6mm i.d.x250mm)と溶離液Aの組合せが適当であった。2.リン酸化タンパク質解析システムの構築(1)上記のチタニアミニカラムと陰イオン交換カラムでカラムスイッチングHPLC分離システムを構成し、吸光度検出とポストカラム蛍光検出(オルトフタルアルデヒド反応)の二重検出システムと組み合わせることにより、微量のリン酸化ペプチドを選択的に検出又は単離することができた。
|