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1997 年度 実績報告書

高周波振動流を用いた生体臓器血流制御法の薬物輸送システムへの応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07557309
研究機関東北大学

研究代表者

仁田 新一  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90101138)

研究分担者 福留 明  日本ゼオン(株), 主任研究員
檜山 浩国  荏原総合研究所, 主任研究員
山家 智之  東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (70241578)
キーワード振動流 / 生理的共振周波数 / 薬物輸送システム / 人工的血液循環 / リニアモーター / 完全体外循環 / 左心補助循環
研究概要

高周波振動流は約10〜40Hzに主力周波数成分を持つ単一波である。自然心と比較して高い領域の振動により各臓器間の血流分配に影響を与えることができ、人工的血液循環として用いた場合、有効な薬物輸送系が構築できる可能性を有している。本研究では振動流による人為的血液循環を行い、生体血管系における各種血行動態を計測した。体血管抵抗は循環血液量と大動脈圧、中心静脈圧より算出されるが、振動流ポンプによる人為的血液循環の開始により自然心のコントロール値と比較して低値を示すことが確認された。これは、振動流の加振効果により血管壁の緊張度が調節され、抵抗が低下し、血流量が上昇したものと考えられた。また、成山羊の総頚動脈血流量に関する検討より、振動流の駆動周波数を調節した場合、ポンプ送血量を一定に保ったまま総頚動脈血流分配率が変化し、頭頚部の血液循環を能動的にコントロールできる可能性が示された。振動流の血管系への影響を示す指標として血管インピーダンスの算出を行った結果、生体血管系では、分岐、屈曲、狭窄等による脈波の反射があり、インピーダンス値に反映されていることが確認された。特に部位別に計測した入力インピーダンス値の検討から、各種臓器にはそれぞれ固有の物性に依存した周波数特性があると考えられた。振動流の駆動周波数を目的臓器の周波数特性に適合するように調節し、循環条件を整えることで臓器間の血流分配を人為的に調節し、振動流による生理的共振現象を惹起する事で、標的臓器の血流増加を図り、有効な薬物輸送にあずかれるものと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Yambe, S.Nitta, et al.: "Nonlinear mathematical analysis of the hemodynamic parameters during left ventricular assistance with oscillated blood flow" Artificial Organs. 21,No.7. 625-629 (1997)

  • [文献書誌] T.Yambe, H.Hashimoto, S.Nitta, et al.: "Development and evaluation of totally implantable ventricular assist system using a vibrating flow pump and transcutaneous energy transmission system with amorphous fibers" Heart and vessels. 12(suppl-12). 86-88 (1997)

  • [文献書誌] T.Yambe, S.Nitta, et al: "Pulmonary arterial impedance analysis by the use of the oscillated assist flow" Artificial Organs. 21,No.7. 751-754 (1997)

  • [文献書誌] S.Kobayashi, S.Nitta, et al.: "Hemolysis test of disposable type vibrating flow pump" Artificial Organs. 21,No.7. 691-693 (1997)

  • [文献書誌] S.Naganuma, S.Nitta, et al.: "Development of a novel centrifugal pump:Magnetic rotary pump" Artificial Organs. 21,No.7. 746-750 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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