研究課題/領域番号 |
07557311
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松木 則夫 東京大学, 薬学部, 助教授 (70126168)
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研究分担者 |
斉藤 宗雄 実験動物中央研究所, 室長 (50167417)
寺本 民生 帝京大学, 医学部, 助教授 (20133077)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
野本 亀久雄 九州大学, 医学部, 教授 (50037355)
齊藤 洋 東京大学, 薬学部, 教授 (00012625)
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キーワード | 食虫目実験動物 / スンクス / 嘔吐 / 脂肪肝 / 生体防御 / 発癌性 / 飼育繁殖 |
研究概要 |
スンクスの嘔吐機構の検討を行い、嘔吐発現時には延髄の孤束核、最後野、迷走神経背側運動核で神経活動が亢進することを明らかにした。さらにカプサイシンやRTXを用いた実験から延髄での嘔吐反応にサブスタンスPが重要な役割を果たしていることも突き止めた。アルコールによる嘔吐についても解析し、末梢性の嘔吐であるが作用機序はシスプラチンなどの制癌剤とは異なることを明らかにした。副腎のカテコラミン及びその代謝物の解析からスンクスはストレッサーに非常に敏感な動物であることも示した。スンクスはスンクスの生体防御系の特徴は、マウスと異なり、異物侵入に対して速やかに対応する点にある。本年度は腸管粘膜のT細胞系の特徴解析を行い、他の末梢リンパ系には存在しないγδ型T細胞や未発達型αβT細胞が存在し、個体発生上では胸腺の影響は弱く、異物侵入に対しては初期防御系と同じようにきわめて速やかに対応することが示された。スンクスの肝可溶性画分にはN-アセチルチランスフェラーゼ(NAT)活性が存在しないこと、ノーザンプロット分析およびサザンブロット分析よりNATの転写物および遺伝子が検出されないことより、スンクスはNATを欠失していることを明らかにした。スンクスにおいて24時間の絶食で脂肪肝が形成され、その原因としてアポ蛋白質Bの合成・分泌の著しい減少を証明した。VLDLの異化亢進がないこと、肝臓のゴルジ装置には極めて微量のリボ蛋白質粒子しかないことなどを明らかにし、スンクスではVLDLのアセンブリーとアポ蛋白質Bの合成低下が原因であることをつきとめた。飼育・繁殖方法の改良については、大量生産および品質(均一性と再現性)の確保について検討し、群分けしたクローズドコロニーを計画的に組み合わせることにより安定した繁殖が可能であることが明らかになった。
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