研究分担者 |
斎藤 宗雄 実験動物中央研究所, 室長 (50167417)
寺本 民生 帝京大学, 医学部, 助教授 (20133077)
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
野本 亀久雄 九州大学, 医学部, 教授 (50037355)
齋藤 洋 東京大学, 薬学部, 教授 (00012625)
|
研究概要 |
ヒトフラピン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)の遺伝的欠損が原因と考えられている魚臭症候群では,食事由来のTMA N-酸化酵素活性が健常人に比較して低いため、未変化のTMAを尿,汗,唾液および呼気等に多量に排泄する。スンクスにTMAを10mg/kgの用量で腹腔内投与し、投与後24時間までの尿中未変化体およびN-オキシド体(TMAO)の定量を行い、MR値(metabolic ratio,TMA/TMAO)を算出した。TMA投与スンクスの尿中MR値は1.42であった.この値は健常人およびラット(MR値はいずれも0.11)の約13倍であった。スンクスとラットにおけるTMA N-酸化酵素活性の差は,スンクスの低いVmax,すなわちFMO酵素量が少ないことが原因と考えられた。スンクスのおける脂肪肝発症の原因を探るために、VLDLのアセンブリー決定要因である肝臓内MTPについて検討した。その結果、スンクスではラット肝臓の約1/3の活性しかないことが明らかになった。また、再摂食により著しく増大した。従って、スンクスではMTP活性の低下が脂肪肝の原因になっていることが推察された。スンクスの嘔吐機構の検討を行い、嘔吐反応にサブスタンスPが重要な役割を果たしていることを示した。しかし、嘔吐を抑制するけれども、悪心を示すと思われる他の症状には影響せず、サブスタンスP拮抗薬が新しい鎮吐薬になるかどうかについては疑問が残った。
|