研究課題/領域番号 |
07557314
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
安倍 陽一 香川医科大学, 医学部, 教授 (10047227)
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研究分担者 |
安岐 康晴 香川医科大学, 医学部, 助手 (50231816)
木村 正司 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30253264)
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キーワード | 微小透析法 / ファイバー型プローブ / 腎臓 / キュプロファン膜 / アデノシン / ハロタン / 一酸化窒素 / サイクリックGMP |
研究概要 |
腎臓や心臓等の実質臓器に用いる微小透析用プローブを開発、試作し、その透析効率および実験への応用の検討を行なった。本プローブの透析膜として外径220μm、内径190μmのキュプロファンファイバー(分子量 cut off point 5,500)を選び、有効透析長を15mm(イヌ用)、10mm(ウサギ用)となるよう接続チューブを両端に挿入した。本プローブの透析効率は、市販のプローブの5〜10倍高率であるため、10μl/min(イヌ)、5μl/min(ウサギ)の速度で灌流することが出来、短時間のサンプル採取が可能となった。 in vivo実験:麻酔イヌおよびウサギの腎被膜除去後、プローブを腎の長軸方向に刺入し、5〜10μl/minの流速で灌流した。1)腎虚血時には、EHNA、iodotubercidineの注入実験を行なった。iodotubercidine(adenosine kinase阻害剤)処置下でアデノシンは5倍程度の増加にとどまったが、EHNA(adenosine deaminase阻害剤)で60〜70倍の増加が認められた。このことから、腎細胞で産出されたアデノシンは主としてadenosine deaminareにより分解され、adenosine kinaseによるrephosphorylationの割合は少ないものと考えられる。2)イルエピネフリン(NE)やアンジオテンシンII(AngII)の腎血管収縮作用は、アデノシンAl受容体拮抗薬前処置により減弱する。NE、AngIIで腎血流量を50%程度低下させると、腎間質中のアデノシン濃度は著明に増加する。これらから、NE、AngII注入による腎虚血が腎でのアデノシン産生を増加させ、アデノシンの腎血管収縮作用がNE、AngIIのそれらに加わったものと考えられる。3)ウサギ腎において、腎間質中でのNO(NO2/NO3として測定)とcGMPは連動して動いた。吸収麻酔薬であるハロタンを吸入(1〜2%)させると、腎血流量の低下と共に腎間質中のNO、cGMPの有意な低下が観察された。しかし、ハロタン吸収下にニトロフルサイドを投与してもcGMPが増加することから、ハロタンはNO合成、遊離段階に作用するものと結論した。以上のように、本プローブの心臓への応用は未だ不確実であるが、腎臓に於ては非常に有用で腎内で産生される活性物質の動態を知り得る有用な手段と考える。
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