研究課題/領域番号 |
07557323
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
篠原 幸人 東海大学, 医学部, 教授 (60051504)
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研究分担者 |
伊藤 嘉敏 日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
川口 文男 日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 講師 (20208408)
泉 義雄 東海大学, 医学部, 講師 (30151426)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 光CT / 近赤外光 / ヘモグロビン / 酸素飽和度 / 脳虚血 / brain |
研究概要 |
我々は従来2波長の近赤外光を用いラット脳のヘモグロビン酸素飽和度の画像化を行ってきたが、脳内の散乱による効果を除去するとヘモグロビン酸素飽和度といった比の値しか求められない.本研究は光源として770、808、854nmの3波長の半導体レーザーを用い、また検出系にストリークカメラを、さらに時間ゲート法を用いて極力直線的に脳を通過した光成分を抽出し、back projection法を用いて画像を再構成した。それにより近赤外光によるラット脳の酸化ヘモグロビン量画像、還元ヘモグロビン量画像を求めることに成功した。平成7年度では定量性に関する検討のため、ラットを人工呼吸器下に吸気酸素濃度を100%から7.5%まで順次低下させ、その都度、脳内酸化ヘモグロビン量および還元ヘモグロビン量の測定を行った。吸気酸素濃度が20%以下となると急速に還元ヘモグロビンの増加、酸化ヘモグロビンの低下が認められ、我々がヘモグロビン酸素状態に関する情報を脳より非侵襲的に測定している事が確認された。平成8年度はラット脳梗塞モデルについて画像化を試み、モデル作成一日後においては病側のヘモグロビン量の低下を認め、7日後の画像では同部のヘモグロビン量の回復が認められた。虚血病巣をCTやMRIといった従来の方法と全く異なる手法により梗塞巣の描出が可能であることを立証した。病的状態の画像化には迅速なデータ収集が欠かせない。そのためコンピュータ制御の光りスイッチを採用し、15分でデータを収集する事を可能とした。これらの結果は、脳梗塞などの病的状態での脳組織内ヘモグロビン量および酸素飽和度の変化についての情報を全く無侵襲に得ることの可能性を示すものとして重要である。
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