研究課題/領域番号 |
07557324
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
渡辺 皓 山形大学, 医学部, 教授 (80004662)
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研究分担者 |
近藤 慈夫 山形大学, 医学部, 教授 (20107189)
布施 淳子 山形大学, 医学部, 助手 (20261711)
高橋 みや子 山形大学, 医学部, 教授 (20070766)
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キーワード | 創傷 / 実験形態学 / 炎症 / 創傷治癒 / 看護教員の生涯教育 / 組織化学 / 人体解剖実習 |
研究概要 |
研究経過と実績: 1)ラットの腹壁を外科的に切開・縫合後、1日、3日経過したものを創傷モデルとし、摘出した組織を光学顕微鏡および電子顕微鏡的に観察した。縫合部位における組織破壊像と好中球を主とする血球成分の集合が認められ、創傷の組織像を人工的に造り得た。今後、看護方法を実験的に評価する基準となると思われる。 2)マウスに種々のゴナドトロピンを投与後、卵胞成熟と閉鎖過程を形態的に観察し、排卵と卵胞閉鎖機構を検討した。特に、卵胞閉鎖に伴う退化消滅が、炎症を伴わないアポトーシス細胞死によることを確かめた。 3)炎症時の好中球およびマクロファージの役割を調べるため、これらの細胞のアポトーシスによる細胞死の形態的特徴を調べた。特に好中球において、アクチンがアポトーシスに伴う形態変化に重要な役割を演じることを確かめた。 4)人体に関わる看護研究課題を具体的に認識すること、および将来の指導者を養生することを目的に、看護研究・教育者を対象とする人体解剖実習講習会を実施した。 研究の評価: 本試験研究の第一の目的は看護学に実験形態学研究法を導入することにあるが、究極的にはこれを、看護学者が行う先端の研究レベルにまでたかめる必要があると考えている。従って、方法論の確立を図ると同時に、各組織における個々の科学的問題点を認識しつつ計画を実行している。炎症の生体機構、卵胞の成熟・排卵と閉鎖など、生命科学の基本的課題を、看護学研究者によって独自の研究がなされるような環境作りを目指している。また、看護対象としての人体の構造を理解する目的で、山形県内の看護婦養成校等の教員を対象に解剖実習講習会を開催し、地域の看護教員の生涯教育に協力し成果があった。
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