研究概要 |
看護教育・実践における質的向上を図るため、教育施設・医療施設等における図書資料・看護文献の利用に関して充実されなければならない。本研究は、看護文献利用の効率化を図る目的で、ファクシミリを利用した文献一次資料の提供の自動システムを作成を行っている。 システムを構築するにあたり、まず現在郵便によって行われている書誌「日本看護関係文献集」の文献複写サービスの過去2年間の利用状況を調査した。その結果、複写サービスの利用者が文献の複写を依頼してから入手に到るまで平均で2週間を要すこと,文献の複写依頼の多いジャーナルは10誌程であり特に2誌に集中すること,発表時期が5年以上前の文献であっても複写依頼は多数存在することなどが分かった。 以上の調査結果より、本システムにデータとして投入する一次資料の絞り込みが可能となり、本システムのプログラムを作成する一方、データの作成を行った。本システムは取り扱う全文献に対応する通し番号の一覧表がデータとして必要不可欠であるが、その通し番号の一覧表データの入力システムを構築し、一覧表データの作成も行った。 本システムは、著作物(文献)の複製を伴うために適法性の検討が必要である。適法性については調査を行い、出版者及び著作者ともに許諾を得て文献の複製を行うものであれば、現在のところ問題は無いことが分かり、出版社に著作物の複製許諾の依頼を行った。現在はいくつかの出版社から許諾を得、さらに多くの出版社に複製許諾を申請する一方で著作者個人からの複製許諾申請を準備している段階にある。 文献を本システムに投入するだけで、まだ利用しないとしても、それは著作物の複製として扱われ、出版者・著作者の両者の許諾が必要であることから、現在文献の投入は保留されている。
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