研究課題/領域番号 |
07557330
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲野 徹 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
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研究分担者 |
柴山 史朗 小野薬品, 水無瀬基礎研究所, 研究員
福島 大吉 小野薬品, 水無瀬基礎研究所, 主任研究員
本庶 佑 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (80090504)
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キーワード | サイトカイン / 造血 / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
シグナルシークエンストラップ法は我々が開発した、分泌蛋白・I型膜蛋白のアミノ末端に存在するシグナルペプチドを指標にしたcDNAスクリーニング法である。本研究では、その実際的応用をめざした改良を行うものであるが、本年度は、そのための予備実験としての大規模スクリーニングを行った。マウスの造血を支持するストロマ細胞株であるST2細胞をLPSで刺激し、多くのサイトカイン遺伝子の発現を誘導したあと、mRNAを抽出し、そのmRNAを用いてシグナルシークエンストラップ用cDNAライブラリーを作成した。そのライブラリーからまず豊富に含まれている三つのクローンGla、JE、SDF1をコロニーハイブリダイゼーションにより除去した後、約6000クローンをスクリーニングした。全部で26個の陽性クローンが得られたので、それらのクローンのcDNAインサートの塩基配列の決定を行った。その結果12クローンが「本物」のシグナルペプチドをコードするものと推定された。うち6クローンが既知のクローンで、6クローンが未知のクローンであった。未知のクローンについてはさらにその全長cDNAを単離し、全塩基配列を決定した。その中の一つ、SDF3と名付けたクローンは神経細胞分化因子としての活性が認められているヒト網膜色素上皮由来因子(PEDF)のマウスホモログであることが判明した。また、SDR1と名付けたクローンは免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜蛋白Basiginおよびトリの血液脳関門に発現するHT7と高い相同性を有することが明かとなった。今回のスクリーニングで得られたクローンは、シグナルシークエンストラップ法を実用化するために必要なサブトラクション法を用いる際に貴重な予備データになるものである。
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