全自動モニタリングPCR装置の開発

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07557331
• 研究種目: 試験研究(B)
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 上田 國寛 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027070)
• 研究分担者: 石黒 敬彦 東ソー株式会社, 科学計測事業部, 主任研究員 ; 木戸 隆宏 京都大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60234308) ; 杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
• キーワード: PCR / IM-PCR / プライマー / 凝集分配型除蛋白剤 / C型肝炎ウイルス / MRSA / 非固相 / 定量性

研究概要

初年度の研究において、以下の結果を得た。
まず、インターカレーションモニタリングPCR(IM-PCR)装置の開発に関して:
1.試作プロトタイプの完成-一応計画通り各パ-ツを調達し、組み合わせてプロトタイプを試作した。パ-ツ間の組合わの不都合も概ね解消できた。
2.至適使用条件の確立-PCRの反応条件の設定はプライマーの配列によって異なり、多分に試行錯誤的であるが、種々検討の結果、ほぼ統一メニューで実施できる目途が立った。
3.生体試料からの核酸抽出法の確立-AP(凝集分配)型除蛋白剤と半自動プラスミド抽出機の組合せで、血液検体から血球の予備分離なしにDNA/RNAを抽出する方法を確立した。
また、遺伝子検査へのこの装置の適用に関して:
4.C型肝炎ウイルス(HCV)RNA-DNAだけでなくRNAにも適用可能なことを、AMVの逆転写酵素とTaqポリメラーゼの組合せにより実証した。
5.MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の検出-mecA遺伝子を用いて、MRSAとMSSAの高感度識別が可能なことを示した。
以上の成果により、完全密封、非固相(ホモジニアス系)、全自動、リアルタイム、定量性などの特長を具えたIM-PCR装置の開発が可能との見通しが得られた。

研究成果

• [文献書誌] Kido, T.: "Ligand Western blotting for specific detection of active form of protease." Clin. Chim. Acta. 237. 31-41 (1995)
• [文献書誌] Ueda, K.: "Cell differenatiation induced by poly(ADP-ribose) synthetase inhibitors." Biochimie. 77. 368-373 (1995)
• [文献書誌] Kawamata, J.: "Deletion of superoxide dismutase-1 gene resulting in frame-shift mutation in a patient with familial amyotrophic lateral sclerosis." Human Mut.in press
• [文献書誌] Banaik, M.: "Dual inhibitory effects of dimethyl sulfoxide on poly(ADP-ribose) synthetase" J. Enz. Inhib.in press
• [文献書誌] 上田 國寛: "遺伝子診断実施上の諸問題" Pharma Medica. 13. 25-29 (1995)
• [文献書誌] 上田 國寛: "アルツハイマー病の遺伝子診断" 学術月報. 48. 1226- (1995)
• [文献書誌] Kido, T.: "Quality Control in the Clinical Laboratory '95: Toward A New QC-QA-QM Paradigm" Excerpta Medica, 501 (1995)
• [文献書誌] 上田 國寛: "遺伝子診療'95" 医学書院, 95 (1995)