研究課題/領域番号 |
07557364
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
秋元 成太 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089752)
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研究分担者 |
清水 宏之 日本医科大学, 医学部, 助手 (80271344)
鈴木 聡 日本医科大学, 医学部, 助手 (70246940)
寺島 保典 日本医科大学, 医学部, 講師 (80207480)
島田 隆 日本医科大学, 医学部, 教授 (20125074)
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キーワード | 膀胱癌 / 遺伝子治療 / 自殺遺伝子 / HSV-tk / GCV |
研究概要 |
昨年度のlacZ遺伝子を用いた導入実験を発展させ、代表的な自殺遺伝子であるHSV-tk遺伝子を組み込んだAdenoviral vectorを構築(Ad-HSVtk)し治療実験を進めた。まず、短期間のGCV投与による実験では、BBN投与による膀胱腫瘍にのみTUNEL法によりapoptosisが認められた。このapoptosisは、コントロールベクターでは認められずAd-HSVtk/GDV群にのみ認められた。同様の組織からDNAを抽出したところapoptosisの指標の一つであるrudder patternが認められた。さらに、adenoviral vectorの膀注によるvectorの広がりを見るために、RT-PCRにより全身の臓器の検索を行ったがvectorは膀胱でのみ検出されこの方法による遺伝子導入の安全性が示された。さらに、GCVを12〜14日間投与し、2カ月後に治療効果を検討した。治療群では、明らかに腫瘍サイズは縮小しておりこの遺伝子治療により腫瘍縮小効果或いは、増殖抑制効果が得られることが明らかになった。移植癌ではなくBBNにより誘導した膀胱癌で極めて臨床に近いモデルでありかつ、ベクターの膀胱注入という極めて簡単な手技によるin vivo遺伝子導入により治療効果が得られた本実験の意義は非常に大きい物であると考える。今後、さらに臨床応用に向けて研究を進めたい。
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