思春期早発症を診断された患者の血液を採取し、DNAを抽出した。FSHレセプターのイクソンの細胞内領域をコードする部分を増幅出来るようにプライマーを作成し、このプライマーを用いてPCRを行い、理論上正しいと思われるフラグメントをベクターに導入した。複数のクローンのDNAをシークエンスしそのDNA配列を明らかとして、既に我々が報告しているヒトFSHレセプターの配列と比較する。相違部分を確認しアミノ酸構造での比較を行った。 この突然変異を人工的突然変異の手法を用いて作成し、このDNAを発現ベクターに挿入して、COS細胞に導入した。wildタイプのレセプターとの比較をまずコントロールレベルで行い、ホルモンが作用していない状態でのcAMP量の蓄積を測定する。次にFSHが作用した時のcAMPについても用量依存性につき検討した。今後、現在検討中である細胞内カルシウムの変動についても、同様の実験を行いDNAの変異と機能の関連について確認する。 SSPC法または、特定の制限酵素を用いて多数の検体をスクリーニングする方法を確立し、異常の確認の出来た患児の両親、更に親族のDNAを同様スクリーニングし家系図を作成する。これにより遺伝形式を特定する。臍帯血を検体として出生前の診断の応用を検討する。
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