研究課題/領域番号 |
07557366
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
本庄 英雄 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30110852)
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研究分担者 |
佐々木 利幸 旭化成工業, 医薬事業部学術
林 健蔵 特別養護老人ホーム「平城園」, 園長
中島 健二 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (00237265)
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キーワード | アルツハイマー型老年痴呆 / エストロゲン / アポリポ蛋白E / アポリポ蛋白ε4 / PCR-RFLP法 / 老人斑 / 予防 / 治療 |
研究概要 |
アルツハイマー型老年痴呆(SDAT)における特徴的な病理学所見として老人斑の形成がみられるが、この老人斑沈着の促進因子としてアポリポ蛋白Eが注目されている。エストロゲンは種々の脂質代謝を調整しており、エストロゲン投与がこのアポリポ蛋白の代謝調整に関与して、SDATの発生を抑制するのではないかと推定し、我々は本研究を行ってきた。 本年度の成果として、まず、エストロゲン投与時のアポリポ蛋白E対立遺伝子とフェノタイプを対比、分析した。特別養護老人ホーム「平城園」において9人のSDAT女性に抱合型エストロゲン(0.625mg/日、連日)を3週間投与した結果、国立精検式、改訂長谷川式、MMSのいずれの痴呆検査においても改善を認めた。アポリポ蛋白E値は投与前の7.0±0.59mg/dlから5.1±0.55に有意(P<0.01)に低下した。この事からエストロゲンの投与がアポリポ蛋白Eの産生を抑制すると考えられた。 また、血液有核細胞よりDNAを抽出、PCRにて、ApoE遺伝子のエクソン4を227bpにわたり増幅し、制限酵素Cfo1を用い切断し、PCR-RFLP法による対立遺伝子の解析を行った結果、SDAT群においてはε4保有者は45%であったのに対し、正常群においては11%と有意に少なかった。また、表現型の解析においても、SDAT群におけるE4型出現が35%であるのに対し、正常群では18%と少なかった。 この2つの結果よりSDAT発生ε4遺伝子保有者が多く、このタイプの保有者にエストロゲンを早期より投与することにより、SDATの発症を予防できる可能性が考えられた。 さらに、実際にε4保有者のアポリポ蛋白E産生に及ぼすエストロゲンの効果を直接効果を調べるには、ヒト脳細胞を採取培養するのがよいが、このことは大変困難なため、その代用として、同じくアポリポ蛋白Eを産生するヒト白血球細胞を培養しこれに及ぼすエストロゲンの影響を検討を試みた。現段階においてはこのヒト白血球細胞の培養を行っているところである。
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