研究課題/領域番号 |
07557372
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
海老塚 豊 東京大学, 薬学部, 教授 (90107384)
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研究分担者 |
飯島 洋 キンビール, 医薬探索研究所, 主任研究員
渋谷 雅明 東京大学, 薬学部, 助手 (50170923)
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キーワード | ステロイド生合成 / ラノステロール合成酵素 / 遺伝子クローニング / 選択的阻害剤 / 生物活性天然物 / オキシドスクアレン |
研究概要 |
前年度までに3'及び5'RACE法により、2,196bpのORFをもち83kDaに相当する723個のアミノ酸配列をコードヒトする由来ラノステロール合成酵素のcDNA塩基配列を得ているが、これは部分長のフラグメントを繋ぎ合わせて得た配列であり、繋がった全長クローンではなく、本年度はまず、全長クローンを得ることから始めた。ラットの場合と全く同様の手法で、ヒトのラノステロール合成酵素のN末及びC末のアミノ酸配列に対応するオリゴDNA(H-Human、Human-B)を合成し、市販のヒト肝臓RNAから逆転写して得たcDNAプールを鋳型にPCRを行ったが、ラットの場合とは異なり、容易に全長クローンナを得ることができなかった。そこで、802番目に位置するSacIサイトを挟んで2つのプライマー(467A、254S)を合成し、H-Humanと467A、254SとHuman-Bのプライマーの組み合わせによるPCRを行い2つのDNA断片を得、SacIで消化後繋ぎ合わせ全長クローンを得た。酵母発現ベクターpYES2に組み込み、酵母のラノステロール合成酵素欠損変異株を形質転換し、その欠損の相補を確認した。また、トリチウム標識したオキシドスクアレンを基質にして酵素活性を調べ、このクローンを導入した酵母のホモジェネートにラノステロール合成酵素活性を確認した。今後、ヒト由来ラノステロール合成酵素の選択的阻害剤のスクリーニングを展開するには、迅速かつ容易に阻害活性を調べるアッセイ系であり、それには、酵母のラノステロール合成酵素欠損変異株を用いた系が最も有力なアッセイ系であると考え、現在、このアッセイの条件を検討している。
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