研究課題/領域番号 |
07558004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 大妻女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
岡田 安代 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助教授 (90118729)
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研究分担者 |
森田 全三 東京農工大学, 工学部, 教授 (50016408)
渡辺 亜紀 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 反応染料 / 耐光堅ろう度 / ヒスチジン / 水光堅ろう度 / セルロース / 銅錯塩アゾ染料 / 光汗複合堅ろう度 / 汗堅ろう度 |
研究概要 |
平成7,8年度では、主として銅錯塩アゾ染料染色物をヒスチジン(His)溶液に浸漬した時の特異的な変色挙動について詳細に研究し、汗堅ろう度及び汗光堅ろう度試験にHisを用いることの問題点を報告した。今年度は、それらの結果を踏まえて、銅錯塩アゾ染料の光退色に及ぼすHisの影響を調べ、種々の堅ろう度試験法の検討を行った。 7種のモノクロロトリアジン系、3種のビニルスルホン系、及び4種の二官能型反応染料で染色した綿布に対して、耐光堅ろう度試験(耐光堅ろう度と水-光堅ろう度(初期湿潤、常に湿潤))、及び各種の汗光複合堅ろう度試験(JIS法L0888(pH5.5と8)、ATTS法(pH3.5と8)、Mizuno法、乳酸法)を行い、これらの試験法が染料の性質を評価できているかどうかを検討した。汗光複合堅ろう度試験法の中では、JIS法は基質が少ないため、最も高い堅ろう度を、Mizuno法は基質が多いため、最低の堅ろう度を与えるが、この二つの方法では供試染料の選別が十分ではない。一方、ATTS法(pH8)と乳酸法は良く供試染料を等級分けできる。 また、綿布上の銅錯塩アゾ染料は、湿潤、乾燥には無関係にHisが存在しなければ、露光してもわずかな退色しか示さない。His溶液にこの染色物を浸漬すると、露光によるよりも大きな変退色を示す。Hisが存在すると、この染色物は湿潤時に特に大きな退色を示す。染料によっては、His溶液への浸漬によるよりも露光による方が大きな変退色を示すものもある。しかし、露光による変色には、Hisを単独で用いた時には、Hisによる黄変の影響が大きい。この黄変はHis溶液の濃度とpHの増大と共に大きくなり、露光前に乾燥するとかなり小さくなる。このように銅錯塩アゾ染料に対するHisの影響は非常に例外的である。このように、銅錯塩アゾ染料以外の染料に対するHisの影響は、乳酸など多くの基質の影響と同様で例外的ではない。
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