本研究は、身体活動量をGPSを使用して、位置情報、すなわちそのGGV形式からの緯度、経度、高度の定量的なデータを取得し、そのデータを位置情報のモニタリングとして使用することを目的としたものである。 平成8年度では、携帯型GPSと位置情報精度を高めたディファレンシャルGPSを使用した。双方のGPSを用い安定かつ精度を向上するモニタリングシステムの必要条件を検討した。研究計画を立てていた時点では、携帯型だがデータの転送が大掛かりかつ煩雑なシステムであったが、小型携帯電話の応用によって大幅に軽量化できた。また米国において測量関係で利用されているGPSレシ-バの導入により小型化かつ測位情報の精度向上ができた。データ取得については、GGV形式をシリアルインターフェース経由でデータ記録専用ROMにデータを取り込むことができた。 さらに、一般成人4名に対して身体活動をGPSの位置情報によってモニタリングし、その活動量(3次元移動距離)を測定した。測定場所は、典型的な我が国のハイキングコースである尾瀬ヶ原で行った。得られた情報は、地図専用CADによって処理し3次元的な移動の軌跡が測定可能となった。国土地理院発行の地図上での誤差は15メートル以内であった。しかし、取得された情報には被験者の生体情報は入っておらず、従来の身体活動の指標との比較が困難であった。次年度では、データを既に大学に設置してあるワークステーションに携帯電話網を利用して転送し、リアルタイム処理による数値地図上での座標表現方法を開発する。
|