本年度は、進路相談システムの骨格を構築した。 このシステムは、自分自身について知ること、企業について情報を検索すること、決めかたについて学習すること、将来の決定についてシミュレーションすることなどができる。 1.興味や適性について、コンピュータによるテストを行い、結果をプロフィールとして表示する。これによって、自分の現状について考える。 2.企業についての情報を集め、データベース化する予定であったが、この点に関しては、本年度は完成していない。現在は、システムのこの部分は、印刷情報によっている。 3.ベイズ的な決めかたについて学習する。すなわち、最初に代替案を列挙し、関連する不確定事象の主観確率を評価し、結果の効用を評価するという過程を経て、最後に、期待効用によって、主観確率と効用を統合する。ベイズ的な決めかたは一種の規範であり、現実の人間はこのような規範的な決めかたはしないが、規範モデルがあることを意識することは、現実の決めかたによい影響があると考える。 4.進路選択のシミュレーションを行う。すなわち、進路の選択を決定の木(ツリー)として、表現し、最後の結果について効用評価を行い、当面の代替案のそれぞれの期待効用を評価し、期待効用最大化によって、もっともよい代替案を選ぶ。次に、期待値の評価について再考し、もし、ある努力をすることによって、その主観確率が変容する場合には、新しい期待効用を計算する。
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