研究概要 |
藤越と佐藤は、バランス型デザインを持つ拡張型成長曲線モデルのもとで、母数の最大推定量を導出し、その統計的性質を研究した。また、彼らはモデル選択基準としてAICやCpの修正版で小標本特性に優れたものを新たに開発した(Hiroshima Math. J, 26, 1996, Biometrika 印刷中, J. Multivariate Anal. 印刷中)。神田は瀬尾と共にバランス型デザインを持つ一般化多変量分散分析モデルのもとでの多重比較について研究を行い、正定置構造,系列構造,一様構造を持つ場合について,最大推定値を用いた平均構造母数の対比較に対する同時信頼区間を考え,ボンフェロニの不等式を利用した修正2次近似法による同時信頼区間を求めた(J. Japan Stat. Soc. 26, 1996)。大瀧は佐藤と加藤の協力のもとに,アンバランス型のデザインを持つ成長曲線データにも対応した汎用統計解析ソフトGrawth2(Ver3.2)を開発した(広島大学・原爆放射能医学研究所年報,37巻,1996)。このソフトウェアは簡便な推定方式により線形制約を持つ平均構造母数にも対応しているもので,数値処理の基幹部分はFortran77で,また周辺部分の一部についてはPascalを用いてプログラミングを行った。また,Delphi(Ver2.0J)によるGUIの構築で操作性向上が実現されている。
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