本研究は、放送型映像から自動的にユーザーの所望する情報を部品情報として抽出・データベース化し、これらを組み合わせて表現能力の高い新しいメディア(ハイパーメディア)を作成する開発環境(プラットホーム)を実現し、マルチメディア情報の利用価値を高めることを目的とする。 具体的には、従来困難であった映像の自動分類の問題を、創案する「映像シーン記述言語」をベースとした実現性の高い自動映像認識手法及びシーンデ-ダベースや複数メディアの協調を用いた高次構造化方式とにより、次にこれを媒介にして放送型のライブ情報とのリンクを柔軟に設定でき、しかも対象メディアを自在に操作できる新しいタイプのハイパーメディアシステムを研究開発することを目的とする。 平成8年度は、平成7年度までに開発した基本システムを機能拡張し、方式の確立をはかった。即ち、(1)平成7年度の評価実験の結果により、ハイパーメディアの記述性、リアルタイムリンクの信頼性等を分析し、映像シーン記述言語及びリアルタイムリンク実現方式の改良を行って更に高い性能を実現した。 (2)情報部品の高度な構造化により、より高度な映像ハイパーメディアを作成する方式を開発し、多数の対象による実現を行う具体的なシステムの作成により有効性を実証した。 (3)平成8年度計上の映像データベース装置により、実験システムの拡張を行い、実験対象とする放送映像の種類をドラマや音楽番組、トピックス番組を含む形に増加し、またその複雑さの程度も段階的に増す形で評価実験を行い、有効性を実証した。
|