研究概要 |
本年度は,全員で音声入力による公文書作成支援装置の開発を行った.まず,小数の公式文書のサンプルを集め,公式文書の構造を言語モデルとして表すために,ECGI法によってオートマトンを構築した.しかし,文書数が少ないため,実際に利用される可能性のある単語が出現していない場合が多々あった.たとえば,「左」はサンプル文書中にあるが,当然予想される「右」がサンプル文書中になかったため,構築したオートマトン中にはあらわれず,実際の利用局面で問題になることが予想された.そこで,構築したオートマトンを修正する必要性が生じた.そこで,出現が予想される単語への対応を強化するために,オートマトンの状態同士の距離を定義し,それに基づいて注目した単語と類似の使い方がされている単語を発見し,その単語を新たにオートマトンに追加して一般化する方法を開発した.認識システムの音素認識部には,二矢田が開発したモデル音声法を用いた.以上の方法を組み合わせて公文書作成支援装置を作成した.装置は,ほぼ実時間で音声を認識することができるが,認識精度は十分なものとは言えず,今後も改善を続ける.
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