研究分担者 |
中山 雅哉 東京大学, 大型計算機センター, 助教授 (90217943)
三木 義照 (株)日立製作所, 家電情報メディア事業本部, 副本部長
原 博之 NTT通信網研究所, ネットワークアーキテクチャ研究部, 主幹研究員
小野 欽司 学術情報センター, 教授 (70260015)
喜連川 優 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40161509)
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研究概要 |
本研究では従来本研究者らがクイックルック画像(原画像を間引いて縮小化した画像)の支援を目的として8mmテープア-カバを中心に構築してきた地球環境データベースシステムに対し、階層構造ファイルシステムを導入することにより、ファイルシステムのアクセス性能を大幅に強化することで、ATM通信による原画像の直接操作を可能とするシステムの構築を目的としている。 平成7年度は,高速通信回線からのアクセスを可能とするとともに、テンポラルデータアクセス並びに、動画転送機構を有する階層構造ファイルシステムの設計として,高速通信回線からアクセスに対して耐え得る十分高性能なファイルシステムの検討を行い、また,ATM通信回線からのアクセスを支援する階層化通信プロトコルの設計として,ATM通信回線に対するATMスイッチを導入すると共に、高効率通信ドライバを作成し、階層化通信プロトコルを設計することにより、その有効性を明らかにした.また階層構造ファイルシステムと階層化通信プロトコルの整合性について検討を行なった.さらに,実際にATM通信回線を通して単純な大規模データのアクセス実験を開始した。 平成8年度は,平成7年度から引続きATM通信回線を通して単純な大規模データのアクセス実験を行ない、大規模データのバルク転送時におけるデータ転送レートなどの基本データを得た。さらに、得られた情報を基に効率のよいデータ転送のためのATM高効率通信ドライバの改良を試み、複数のアクセスポイントからATMを通じて試作中の階層ファイルシステムへのアクセス実験を行った。また、階層ファイルシステム実装の一貫として、構築された階層ファイルシステムおよびその上で構築されている衛星画像データベースシステムの特性をいかし、高速通信回線上でのユーザが容易にデータベースシステムへのアクセス、とりわけ大規模画像の類似検索を可能とするユーザインタフェースの検討と開発を行い、ユーザが容易かつ迅速に必要な画像を得ることを可能とした。 以上より、来るべき高速通信時代に備え、高速通信回線によるアクセスを可能とし、大規模画像データの問合せ・取得の即時処理を実現する地球環境衛星画像データベースを試験的に構築し、高速通信回線を用いた超大規模画像データベースの実用化に必要な情報を得るとともに、その可能性と有効性を明らかにした。
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