研究概要 |
アパレルの分野では,デザイン段階及びプレゼンテーションの方法に対して情報化に十分対応しきれていないのが現状である.現在行われているデザイン画による方法では,デザイン画をパタナ-(型紙を作る人)に渡してからサンプル(試作品)ができあがるまでに約半年かかり,また1回のファッションショーに最低5,000万円かかると言われている.このような状況を打破するために,本研究では,デザインが紙と色鉛筆を使う以上に便利に使いこなせかつ創造性を発揮できるCADの開発と仮想ファションショー(VF)を実現するための基礎研究を行うことを目的とし,以下のような成果を得た. 1.衣服モデルのもととなる標準的な人体モデルの生成と人体の局所的な変形操作機能の実現 2.基本衣服形状モデルの生成と衣服形状の各種操作機能(切断,変形,接合など)の実現 3.素材や織り柄などについての布の表現方法の実現 4.計算機に不慣れなデザイナの感性の発揮を妨げないようなユーザーフレンドリーな対話環境の実現 以上の研究は,平成7年度卒業研究,「服飾デザインのための人体モデリングに関する研究」,「布の写実的表現に関する研究」,平成8年度卒業研究「対話型人体モデリングシステム」及び修士論文「服飾デザイン支援システムの開発に関する基礎研究」で行われ,さらに,修士論文研究(M1)で2件,博士論文研究(D1)で1件で続行中である.また,精密工学会において,平成8年秋と9年春に合計3件の学会発表を行った.
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