研究分担者 |
岩田 知孝 京都大学, 防災研究所, 助手 (80211762)
森田 裕一 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30220073)
笹谷 努 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10002148)
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027253)
南 忠夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10012923)
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研究概要 |
機動用強震計に要請されることは,火急的速やかに,任意の場所で一定期間の観測を可能にすることにある.本年度は3年計画の初年度として,機動用強震計として適用可能性のある市販品の調査および性能比較等を行い,実現の可能性を重視しながら仕様の概略を決定した.以下に計器各部に関する調査結果,次年度に実現すべき仕様等を記す. 1)センサー部:高感度・広帯域の動電型地震計をリファレンスとして市販のサーボ型加速度計・速度計の比較観測を行い,いずれも要請されるノイズレベル以下(1μg,1μkine)でありまた観測の上限(2g,100kine)を満たす.但し,サーボ型加速度計は3成分で30-100mA程度の消費電力を必要とし,一定期間(最低2週間程度)の観測には商用電源あるいは大容量の電池を必要とする.また,サーボ型速度計は長周期成分に対する精度が最も良いが同様に電源の問題がありかつ重量・容積などに難点がある.そこで電源を必要としない小型の動電型加速度計を試作し,基本性能に関して確認した. 2)記録部(ロガー):火山構造探査・小地震観測に開発されたロガーが最も軽量で消費電力が少ないないため,これを中心に検討した.現在の観測範囲が16ビットのA/Dコンバータ-で既定されており,広ダイナッミックレンジが要請される強震観測のために20ビットの分解能を持つ仕様とし,かつ細部の仕様を確定したのち次年度に実現を図る.また,ロガーに内蔵されているGPS時計は神戸における人工地震探査などの実験を通して強震アレイ観測に十分な精度があることを確認した.
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