研究課題/領域番号 |
07558061
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
飯塚 哲 東北大学, 工学部, 助教授 (20151227)
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研究分担者 |
平田 孝道 東北大学, 工学部, 助手 (80260420)
李 雲龍 東北大学, 工学部, 助手 (50260419)
畠山 力三 東北大学, 工学部, 助教授 (00108474)
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キーワード | 電子温度制御 / 電子エネルギー / 水素プラズマ / 高周波放電 / 水素負イオン / 負イオンプラズマ / 振動励起 / 解離再結合 |
研究概要 |
アルゴンガスプラズマ系で構築した高周波放電電子温度制御装置に水素ガスを導入し、水素負イオンの生成の特性を調べた。 実験は永久磁石付きの高周波(RF)電極により水素プラズマを生成する。真空チャンバ内にグリッドを設置し、プラズマ生成域と拡散域に分離する。実験は水素ガス圧力をパラメータとして行った。水素ガス圧力が8mTorrのとき、生成域では電子温度が約3eVのプラズマが生成され、グリッドに負バイアスを印加するに従って、拡散域での電子温度は低下した。負イオンの生成の評価のためにプローブ電流の正負の飽和電流比を測定するとその比はグリッド電圧によって大きな変化は見られなかった。しかしながら、2mTorrとすると、電流比は約28から約1.1程度まで急激に減少した。この時、生成域での電子温度は約4eVに上昇しており、水素分子の励起が大きくなったことが考えられる。この時、低ガス圧力での電流比から見積もった負イオンの密度はほぼ正イオン密度と同程度であり、高効率でのイオン生成が分かった。 以上により、高効率な水素負イオン生成のためには、プラズマ生成域での水素分子の高エネルギー電子による励起が重要であり、圧力変化によってその制御が可能となることが分かった。また、プラズマ拡散域での低エネルギー電子による解離付着は重要であるが、電子温度が2eV以下であれば、水素負イオン生成への影響は少ないことが分かった。本実験では、圧力を変えることにより、生成域での励起しきい値の存在が初めて明らかにされた。
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