研究概要 |
1)塊状炭素投入型J×Bアークジェットフラーレン連続合成装置を開発した。最大電流300Aのアーク放電で、連続自動合成が行なえた。るつぼ状炭素アノードにチップ状炭素を充填し、上部カソード間で放電を行ない、炭素を昇華させた。炭素原料は、上部に有る炭素原料保存庫より随時投入された。又、コンパレーター法により、放電条件制御を行なった。更に、永久磁石により静磁場を加え、JxB力により炭素含有プラズマをジェット噴出させ、合成効率を大幅に上げた(約7倍)。 2)この装置を用いた実験により、10g/hの生産率でフラーレン含有すすを合成できた(放電電流200Aの時)。C_<60>含有率は約10-20W%、C_<70>含有率は2-4W%、C_<76>,C_<78>,C_<82>,C_<84>などの高次フラーレンの含有率は約0.2W%であった。C_<60>の生産率は約1g/h、C_<70>の生産率は約0.2g/h、高次フラーレンの生産率は約20mg/hであった。これらのフラーレンは、ソックスレ-抽出法と高速液体クロマトグラフィー法により単離できた。 3)酸化ランタン含有炭素チップ原料と、炭素チップ+酸化ランタン粉末原料を用いた放電により、各種のランタンフラーレン(LaC_x : xは60以上の偶数))を合成できた。ソックスレ-抽出法により、LaC_<82>を始めする金属内包フラーレン(LaC_x : xは72以上の偶数))を抽出できた。LaC_<60>、LaC_<70>は分解する傾向にあるが、超音波低温抽出法を用いて抽出することに成功した。すす中LaC_<82>の含有率は約0.2W%、LaC_<82>の合成率は約20mg/hであった。 4)これらの研究を基に、弾倉導入型フラーレン連続自動合成装置を開発し、40時間連続のフラーレン合成に成功した。この装置は、実用性が高く、企業((株)大亜真空)より製品化された。
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