研究課題/領域番号 |
07558070
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木下 智見 九州大学, 工学部, 教授 (50037917)
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研究分担者 |
稲垣 正寿 (株)日立製作所, 日立研究所, 研究員
安田 和弘 九州大学, 工学部, 助手 (80253491)
椎山 謙一 九州大学, 工学部, 助手 (30243900)
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キーワード | 原子力材料 / 照射損傷 / 自己修復条件 / 超高圧電子顕微鏡 / 電子照射 / イオン照射 / 中性子照射 / 超微小硬度 |
研究概要 |
原子炉内において、燃料・材料は、中性子、イオン、電子およびγ線等の放射線の照射を受ける。したがって、これらの複合放射線照射下での燃料・材料の損傷挙動を評価する必要がある。本研究では、これらの放射線の内、金属材料の照射損傷にとり最も重要な中性子照射により形成される高エネルギー一次はじき出し原子(1〜10^3keVイオン)と、低エネルギー一次はじき出し原子(1〜10^3eVイオン)、および核変換元素の相乗効果を簡便に評価する装置および解析法を開発し、有効な材料開発と自己修復条件の探索に供することを目的にする。 本研究では、既設の加速器結合型超高圧電子顕微鏡を軽水炉用材料の高度化試験用装置として改造することと、この装置による実験結果の解析法の確立が主な内容である。 本年度は、高性能制御イオン・電子同時照射下における照射損傷組織発達過程の「その場」観察装置と力学特性評価装置の開発を行った。具体的には次のような研究を進めた。 (1)イオンおよび電子照射線量率の制御の高性能化と多様化・・・ガスイオンに加え金属イオンを1×10^<12>〜10^<16>ions/m^2・sの範囲で、また、電子線を1×10^<20>〜1×10^<24>e/m^2・sの範囲で可変出来、しかも線量率の安定度を±5%/hr以内に制御出来るような装置を開発した。 (2)電子および/またはイオン照射金属の超微小硬度試験装置の開発と、超微小硬度法における降伏応力の決定法の確立・・・超微小硬度計を購入し、その性能を確認した。即ち、負荷荷重精度0.001g、深さ検出分解能0.5nmの高性能を得た。この装置を用いて約1μm^3のごく微小領域において金属の降伏応力および加工硬化指数を評価する方法を開発すると共に、開発した評価法をイオン照射した銅に応用した。イオン照射銅の力学的性質をイオン飛跡に沿って明らかにした。
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