研究分担者 |
藤村 満 京都大学, グリーンブルー(株)・環境監視事業部, 部長(研究職)
西川 雅高 国立環境研究所, 地域環境グループ, 主任研究員 (80228171)
吉田 紘二 京都大学, 工学研究科, 助手
山本 浩平 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (10263154)
東野 達 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135607)
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研究概要 |
本年度は下記の4課題について検討した。 1.PIXE,PIGE分析検量用標準試料の作製:PIXE用試料としてはK2S04,CuSO4等、PIGE用試料としてはNaClの基準水溶液を作り、これより種々濃度の標準試料を作製し、PIXE,PIGE分析のための検量法、測定精度について検討した。PIXE分析においては、S,Clは化学形態によっては一部に検出損失が起こることが明らかとなった。また、測定中に生じるビーム形状の変化は測定誤差の要因となることが明らかとなった。S,Clについての損失条件については,今後さらに詳細かつ系統的な検討が必要である。 2.環境微量試料サンプリングと分析:大気エアロゾル粒子を粗大・微小粒子別に連続捕集できる自動連続サンプラーを設計・製作し、各種気象・環境条件下で大気エアロゾルをサンプリングし、一部は水溶性・不溶性成分に分離後、PIXE法による元素分析を行った。また、大気エアロゾル粒子とともに乾性沈着物質や雨水を採取し、大気の乾性・湿性沈着による浄化機構について検討を行っている。 3.軽元素分析法の検討:軽元素(PIGE)分析のための真空チャンバーの設計・製作(平成8年同時設備備品)、および分析・検出条件に関する基礎的検討を行った。本実験では、核反応として23Na(p,p'γ)23Naと23Na(p,αγ)20Neを利用し,γ線収率の濃度依存性、木材試料への応用を試みた。PIGE分析の有効性は、試料に特有なγ線の性質に大きく依存することが明らかとなった。 4.PIXEスペクトル解析アルゴリズムの作製:PIXEスペクトルから元素別濃度を決定するための対話型解析プログラムを作成、実スペクトルからの解析を進めながら、改良を行っている。
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