研究課題/領域番号 |
07558075
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
笠原 三紀夫 京都大学, エネルギー科学研究所, 教授 (80027143)
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研究分担者 |
藤村 満 グリーンブルー(株), 環境監視事業部, 部長
西川 雅高 国立環境研究所, 地域環境グループ, 主任研究員 (80228171)
吉田 絋二 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手
山本 浩平 京都大学, エネルギー科学研究所, 助手 (10263154)
東野 達 京都大学, エネルギー科学研究所, 助教授 (80135607)
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キーワード | 微量元素分析 / PIXE分析 / 内標準法 / 環境微量汚染物質 / 大気エアロゾル / 雨水 / XAFS / PIXEスペクトル |
研究概要 |
本年度は下記の3課題について検討した。 1.内部標準法によるPIXE分析におけるS,C1元素分析精度の検討:PIXE分析によるS,C1元素の分析では科学形態によっては一部濃度が過小となることを昨年度示した。これらの原因、程度等について、内標準法により検討した。内標準元素としてNi,Gaを選び、その標準物質として原子吸光用標準試料を用いた。Sの大気中での主要な化学形態である(NH_4)_2SO_4の検出効率はおよそ1であるのに対し、Na_2SO_4・H_2SO_4のそれは各々0.70,0.26と過小となった。C1は0.82〜0.02と大きく下まわった。なお、検出効率は溶液のpHにも依存することから内標準試料の作成法について、また原子吸光用標準試料中の目的元素以外の不純物に注意を払う必要がある。 2.環境微量試料のサンプリングと分析:本研究の一部として設計・製作した粗大・微小粒子別自動連続エアロゾルサンプラー及び多段分級サンプラーを用い、各種気象・環境条件下で大気エアロゾルを捕集し元素別の粒度分布を求めた。また、粒子とともに乾性沈着や雨滴を採取し、大気の乾性・湿性沈着による浄化機構について検討した。都市域と桜島のエアロゾル粒子を比較した結果、都市域の粒子中のSiは、その大部分が粗大粒子で機械的に発生したものであるのに対し、桜島のそれは微小粒子も多量に含み、凝縮により生成したことを意味している。放射光を用いたXAFSによりSの化学結合状態を調べた結果は、大気中の粒子はほぼ全てがS^<8+>であるのに対し、桜島ではわずかながらS^<2->が認められた。 3.PIXEスペクトル解析アルゴリズムの改良:昨年度作成したPIXEスペクトルから元素別濃度を決定する対話型解析プログラムを、各種試料に対応できるように拡張、改良を行った。
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