研究課題/領域番号 |
07558083
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 透 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (40118956)
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研究分担者 |
佐上 郁子 東北大学, 反応化学研究所, 講師 (10143033)
小波 秀雄 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40186713)
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キーワード | 遺伝子操作 / シトクロム / ハロゲン化合物 / 環境汚染 / バイオリアクター / バイオレメディエーション |
研究概要 |
ハロゲンを含む化学物質は冷却剤、産業用溶媒、農薬、除草剤などに多く利用されているが、これらの化学物質は分解されにくく、環境汚染の主な原因となっている。 今回特に地下水汚染の主な原因になる化学物質であるハロエタン類が、遺伝子操作によって導入されたネズミ肝臓シトクロムP450酸素を含む酵母によってどのように分解されるかをバイオリアクターを用いて詳細に調べた。ペンタクロエタンは本遺伝子操作酵母によりトリクロロエチレン、トリクロロアセトアルデヒド、及び2、2、2-トリクロロエタノールに効率良く分解された。ヘキサクロロエタンはテトラクロロエチレンに分解された。又、トリクロロエチレンはトリクロロアセトアルデヒド及び2、2、2-トリクロロエタノールに効率良く分解された。これら以外にも1、1、2-トリクロロエタン、1、1、1、2-テトラクロロエタン、1、1、2、2-テトラクロロエタンなどもいくつかの化合物に分解された。これらの反応は酸素存在下又は空気中よりも窒素で満たした溶液中の方が約3倍程さらに効率良く反応が進行した。さらに酵母の栄養になるぶどう糖を添加することにより酵母の反応効率などはかえって低下してしまった。以上の反応効率は酵母を粉砕した場合、酵母自身の場合よりも上昇し、酵母の表面膜がこれら化学物質の酵母内への導入を妨げることがわかった。
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