研究課題/領域番号 |
07558085
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
環境保全
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松尾 友矩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80010784)
|
研究分担者 |
荒巻 俊也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90282673)
伊藤 泰志 富士通FIP(株), 環境システム推進部, 課長(研究職)
花木 啓祐 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00134015)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | 都市代謝システム / 下水熱利用 / ごみ収集区域 / ごみの熱利用 / 都市エネルギー / エネルギー消費分布 / コンピューターモデル / 合意形成 |
研究概要 |
都市活動の環境への負荷は都市活動を維持するために必要となるエネルギー、物質、食料、水などの入力を抑えるとともに、下水、固形廃棄物、廃熱、排ガス、等の出力を極力低下させることが求められる。この出力側の負荷の低減のためには各種の都市代謝システム(静脈系都市基盤システム)を整備し、その運用を効率的なものとしていかなければならない。都市代謝システムに関わる処理施設は迷惑施設とも呼ばれ、その立地に対しては社会的合意を得るのが困難な事情にある。この困難さは多くの場合地元住民と行政担当者の間で、共通の土俵の上で議論を進め、共通の試案を構成していくプロセスの不足に起因していることが多い。本研究においては、地球に優しい、社会システムを実現していく、具体的な課題として、都市代謝システムに関わる迷惑施設の立地に対する社会的合意形成を支援するコンピューターシステムを開発し提示することを目的とした。 本研究により開発されたコンピュータシステムは「都市代謝システムモデル」と呼ぶが、東京都区部(23区)を250m×250mメッシュに分けたメッシュデータを基本とする地理情報によって構成される。入力としては、人口、建物用途、床面積、建物構造である。また変数としては、人口当たり下水量及びごみ発生量、面積当たり下水量及びごみ発生量、面積当たりエネルギー消費量等である。 本モデルにおいては、下水道の管線網と流域区分、ごみ清掃工場とごみ収集区域が選定できるようになっており、各地点における下水量、ごみ収集量を推定できる。これらの推定量より、その地点でのエネルギー回収量を推定し、その地点周辺部でのエネルギー需要量を比較できるようになっている。またごみ収集に関しては、ごみ収集区域の変化、収集量の変化と対応して、収集車両数の変化や、それにともなう大気汚染への影響も計算できる。また、路線価などの経済指標も入力可能であり、経年変化等を表示できる。 本システムモデルは、都市代謝系の施設の設計配置の決定プロセスにおいて試行を容易にしており、これら施設の最適位置、最適設計条件を提示する支援システムとして有効に利用されることを期待している。
|