研究課題/領域番号 |
07558086
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾崎 博明 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40135520)
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研究分担者 |
越川 博元 京都大学, 工学研究科, 助手 (70273480)
金谷 健 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (60150158)
清水 芳久 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20226260)
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キーワード | 白色腐朽菌 / リグニンペルオキシダーゼ / マンガンペルオキシダーゼ / Phanerochaete chrysosporium / 有害物質除去 / 固定化 / アゾ染料 / 土壌浄化 |
研究概要 |
本研究では、多種類の有機性有害物質、難分解性有機物質を同時に分解できるリグニン分解菌の1種である白色腐朽菌(Phanerochaete chrysosporium)をとりあげ、これを用いるバイオレメディエーション技術を確立することを最終目的としている。今年度は、同菌の固定化法と固定化した菌を利用するバイオリアクターに関する検討を行った。得られた主な結果は以下の通りである。 1.アゾ染料の分解をめざして、ナイロン、ポリウレタンフォーム、アスペンチップ、PEGペレットの4種の固定化担体について検討したところ、アゾ染料の脱色と酵素活性の発現の点から、Phamerochaete chrysoporiumの固定化には付着担体としてのポリウレタンフォームが優れていることがわかった。 2.ポリウレタンフォームを付着担体とする固定床式のバイオリアクターを構成し、アゾ染料の回分分解実験を行ったところ、炭素制限下においてアゾ染料が分解され、リグニン分解酵素の1つであるグリニンペルオキスダーゼ(LiP)が関与していると考えられた。 3.上記2において、易分解性物質であるグルコースの欠乏とともにLiP活性が発現したが、グルコースが存在しない系ではLiPの発現はみられなかった。しかし、グルコースを新たに添加することにより、LiP活性が上昇し、マンガンペルオキシダーゼ(MnP)の発現も見られた。この結果、数種混合したアゾ染料の95%以上がこの回分処理方式で脱色され、同方式は少なくとも水処理に利用可能であるとの見通しを得た。今後はさらに連続処理装置による検討を試みる予定である。また、土壌系についても油分を主な対象として、Phanerochaete chrysosporiumによる油分分解と酵素活性との関わりについて検討を続けている。
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